参加登録はこちら

大会長からのご挨拶

大会長

鈴木 富雄

大阪医科薬科大学医学部 総合診療医学教室 教授

このたび、総合診療やプライマリ・ケアに関心を寄せ、ともに実践を支えていただいているすべての皆さまを、ここ京都の地にお迎えし、本学術大会を開催できますことを、心より嬉しく、また光栄に存じます。

いま、私たちが向き合っている現実は、かつて経験したことのない超高齢社会です。他疾患併存や社会的孤立、医療資源の地域偏在──こうした複雑な課題の中にあり、総合診療は、時代の要請に応えるかたちで、その果たすべき役割を広げ、医療と地域社会をつなぐ中核的な存在へとなりつつあります。

本大会のテーマには、「つながる、つなげる」という言葉を掲げました。
それは、専門分野や職種の垣根を越えた“横のつながり”を再確認し、より確かなものとしていく願いを込めたものです。医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、介護職、行政や地域住民──多様な立場が連携し、チームとして患者さんの“いのち”と“くらし”に向き合う実践の価値を、改めて共有したいと考えました。

同時に、「つながる、つなげる」には、もう一つ大切な意味が込められています。
それは、地域医療の礎を築いてこられた先人たちの志を、これからの時代を担う次へと手渡す、“縦のつながり”の再構築です。
長年、地域に根ざし、患者さんと共に歩んできた医療者たちの知恵と覚悟。それを継承し、さらに新たな視点と情熱を携えた若者たちが受け継いでいく。
この大会が、世代と世代を結ぶ場となることも、大切にしたいと思います。

誰かとつながることは、単なる連携ではありません。そこには必ず“対話”があり、“共感”があり、“物語”があります。
私たちは、その対話の積み重ねにより、患者さん一人ひとりの背景や想いを診療に映し出す医療のかたちを育んできました。

その営みが、いまや国の医療政策においても、医療経済においても、次代の希望として注目されています。
あらためて定義されつつある「かかりつけ医」制度をはじめ、地域包括ケアやプライマリ・ヘルス・ケアの推進、予防と生活支援の統合──総合診療の理念は、社会の未来をつくるための礎となりつつあります。

本大会が、プライマリ・ケア領域に関わる医療者としての“誇り”を、皆さま一人ひとりが再確認できる場となり、そして、未来への“刷新”の契機となることを願ってやみません。

診療の現場で、教育の現場で、あるいは研究の中で、日々悩み、迷い、挑戦し続ける皆さまにとって、この大会が、明日への情熱と勇気を分かち合える場となることを、心より願っています。

つながることによって、新たな光が生まれる。
つなげることによって、未来は動き出す。
そしてその未来を、さらに誰かにつなげることで、私たちはまた新たな希望と役割に“つながる”ことができる──
そんなエポックメイキングな時間を、ここで皆さまとともに創り上げていきたいと思っております。

そして、今回の会場は、6年前にWONCA APRが開催されたあの京都国際会館です。
あのときの熱気と興奮、世界中の仲間たちと分かち合った希望と感動が、いまもこの場所に息づいています。
その記憶の上に、新たな息吹を吹き込み、私たちが日々担っているプライマリ・ケアの営みを、次の時代へと羽ばたかせていきましょう。

最後に、この言葉を皆さまと分かち合いたいと思います。
“General is Special.”
私たちが信じ、歩んできた道は、これからの医療を照らす確かな光です。

総合診療の理念に共鳴し、日々地域で実践を重ねるすべての皆さまに、深い敬意と感謝をこめて。

実行委員会

大会長

大会長

鈴木 富雄

大阪医科薬科大学医学部
総合診療医学教室 教授

実行委員長・副実行委員長

実行委員長

島田 史生

大阪医科薬科大学医学部
総合診療医学教室 助教

副実行委員長

三澤 美和

大阪医科薬科大学医学部
総合診療医学教室 助教

副実行委員長

橋本 忠幸

大阪医科薬科大学医学部
総合診療医学教室 助教